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レモンの季節に瀬戸内海を走ろう!「せとだレモンマラソン2024」体験記 前編

2024.03.07

瀬戸田の特産品であるレモンが旬を迎える時期に、広島県尾道市で開催される「せとだレモンマラソン」。2回目を迎える今年は「ハーフマラソン(21.0975Km)」と「シーサイドラン(9.1Km)」、小学生とその保護者がペアで走れる「キッズラン(1.8Km)」という3つのコースを揃え、およそ900名のランナーがエントリーした。

「GOLDWIN」が協賛するこの大会は環境負荷の低減を開催コンセプトに掲げており、マイボトルの携帯をルール化するとともに、ごみが出ない給水システムの導入や「BRING」による衣類回収サービスを実施するなど、サステナブルなマラソンレースのありかたを模索している。

この大会運営に共感するGoldwin事業部の3人が、「ハーフマラソン」と「シーサイドラン」に挑戦!Goldwin事業部で「CAKE」のマーケティングを担当する伊藤祐実さん、同事業部で商品企画のマネージャーを務める黒田優さん、海外販売部のマネージャー、宮内聡子さんのレースまでを追いかけた。

スポーツ × 環境配慮のメッセージに共感した

今大会では昨年に引き続き、「ゼロ・エミッション社会の実現」を掲げるスウェーデン発の電動モーターサイクル「CAKE」がレースを先導する。そんな縁から「シーサイドラン」への出場を決めたのが、昨年からGoldwin事業部で「CAKE」のマーケティングを担当する伊藤祐実さん。それ以前は長く「Goldwin」ブランドのマーケティングに関わっていたが、全く新しいジャンルに挑戦してみたいと「CAKE」に携わることに。

「『CAKE』は『エキサイティングな体験』と『地球環境への責任』を組み合わせることでゼロ・エミッション社会の実現を加速させることをミッションとするブランドで、耐久性や走行性能と、持続可能性、デザイン性を高いレベルで叶えています。これまでに担ってきたアパレルとは勝手が違い、流通や法整備という、マーケティング以前の段階でものすごく苦労しました。でも、だからこそおもしろく、環境に対する意識について学べるところが多いので、やりがいを感じています。カーボンニュートラルに取り組む地方自治体、環境活動家や社会企業家と、スポーツアパレルではアプローチできない方々とご一緒できるようになり、日々、刺激を受けています」

「CAKE」のおかげで参加することになった、今年の「せとだレモンマラソン」。当初は去年同様、ブース出店で参加するつもりだったが…… 。

「商品企画の黒田さんに『走ろう!』って誘われて、仕方なく(笑)。部活動を含め、これまでの人生でスポーツの経験がほとんどないんです。女性に向けてウェルビーイングを提案する『Saturday in the park』を担当していたときに、2、3km程度のジョギングやヨガをたしなんだ程度。だから9kmも走るなんて、今でも信じられない」

「せとだレモンマラソン」参加にあたっては、「自分を追い込むために」と、まずはSNSで出走を表明。応援やアドバイスのコメントが次々に届き、後に引けない状況に。トレーニングとしては、実際に走る9.1kmを体感しようと「5kmをスルーで歩く」を目標に、出先で歩くことを心がけている。

「正直言って、走ることよりも環境負荷低減を謳う大会運営に携わることや瀬戸田エリアを視察することが楽しみ。マイボトルの持参はすばらしいですが、こういう施策をもっと推し進め、たとえば参加者が現地までの移動や宿泊などのプロセスもゼロカーボンにできないかなって、少し先の未来のスポーツ大会の姿を思い浮かべたりしています」

スポーツを通じて生まれる、人とのつながり

伊藤さんをマラソンに誘ったのが、「Goldwin」の商品企画マネージャーを務める黒田優さん。現職以前には別のアウトドアブランドで14年間、企画・開発を務めており、ものづくりのキャリアは長い。

「『Goldwin』の起源はスキーにあることから、雪のある未来を次世代につなげていこうと、環境保全のメッセージを発信しています。商品企画としてはリサイクル素材や環境配慮素材を採用するだけでなく、製品の耐久性を向上させたり、リペアを無償で受け付けたり、長く使う・廃棄を減らすというアプローチでも環境問題に取り組んでいます」

プライベートでは、4歳で始めた競泳で全国大会に出場した経験を持つ。大学時代は競泳のスキルを生かせるライフセービング部で活躍、ホームである下田のビーチでビーチクリーンなども行っていた。現在はライフセービングのインストラクターの資格を取得、子どもや学生たちに向けての教育活動も行っている。

「穏やかな日の海はすばらしく豊かな存在ですが、一度荒れれば恐ろしいものに変わります。ライフセービングでは助けられなかった命もありました。このような海での活動を通じて『自然と共生する』という意識が身についたように思いますが、これはアウトドア・アパレルのデザインに欠かせないものです」

初参加する「せとだレモンマラソン」では、「シーサイドラン」の約9kmを走る。広島市出身の黒田さんにとって、地元の魅力を再認識できる機会になりそうだ。

「瀬戸田はいい季節を迎えていますし、『CAKE』が先導すると聞き、瀬戸内海を眺めながらみんなで走ったら楽しそうだなと思いました。スポーツのおもしろさって、人とのつながりが生まれるところ。この大会を通じていろいろな人と出会うことを楽しみにしています」

そんな黒田さんの大会の目標は、「楽しく、怪我なく完走する」。

「大学時代はトレーニングの一環で毎日長距離走に取り組んでいましたが、現在はたまにジョギングをする程度。学生時代のテンションで走ると大怪我をしそうなので、無理なく楽しく走り切ることを目標にしています」

スポーツ × ツーリズムの醍醐味

マラソン大会に出場するのは実に4年ぶりという宮内聡子さん。中学から大学卒業までバスケットボールを続け、卒業後も社会人チームに所属、現在は会社の仲間と月2、3回プレーしている。入社後は同僚とスキー、スノーボード、登山を楽しむ根っからのアクティブ派。「C3fit」の企画に携わっていたときにランニングを始め、これまでにフルマラソン3回、ハーフマラソンにも3回出場している。当時は走ることが生活の一部だったといい、自己ベストは4時間6分。

「当時扱っていた『C3fit』の製品の使い勝手を体感したくてランニングを始めました。バスケとは勝手が違うので初めはあまり好きではなかったのですが、大会に目標を設定して練習しているうち、走ることが習慣になっていました」

サブ4を目指して練習していたときにコロナ禍に突入し、あらゆる大会が中止に。「モチベーションも下がり、今では週末に走るくらいになってしまった」というが、今年、「せとだレモンマラソン」への出場を決めた。会社が協賛しているこの大会の運営に多くの同僚が携わっていることと、昨年の様子を耳にして、ロケーションの素晴らしさに惹かれたからだ。

「ごみを減らそうという試みもいまの時世を反映していると思います。コロナ禍以前に参加した大会では、周囲を顧みずにごみを投げ捨てるランナーたちを度々目にし、残念な気持ちになりました。環境に配慮するということは他者を気遣うことでもあります。『せとだレモンマラソン』が発信する、思いやりをもって走ろうというメッセージに共感しています」

「ハーフマラソン」を走る今回は、楽しく完走することと、初めて訪れる土地での風景を楽しみにしている。ただの旅行では見過ごしてしまいがちだが、自分の足で走るからこそ思い出に残る風景がある。「C3fit」の海外営業を担当していたとき、出張で訪れたシンガポールでハーフマラソンを走ったことがあり、異国の街並みを駆け抜けたことが思い出に残っているそう。

「そんなラン・トリップに欠かせないのが仲間の存在です。以前は同僚と山に登ったりボルダリングに出かけたりとアクティブに遊んでいましたが、それぞれのライフステージの変化に伴い、そういう機会は少なくなっていました。旅先でのスポーツを目的に、仲間と遠出するのは久々で、ランを含めた旅そのものを満喫したいと思っています」

中編では、参加者3人による「せとだレモンマラソン」をテーマにした鼎談の模様をお届けします。

(写真 茂田羽生 / 文 倉石綾子)

  1. 伊藤祐実(いとう・ゆみ)
    三重県伊勢市出身。前職はデザイン・アート関係の会社。ゴールドウインのコーポレート・アイデンティティや60年誌の編集に携わった縁で、2013年に入社。「こころとカラダを整える」を提唱するショップブランド「Saturday in the park」を経て「Goldwin」「C3fit」のマーケティング担当に。今年度から「CAKE」のマーケティングを担当する。体育的なスポーツ経験はほぼないが、ヨガは好き。心身のバランスを調えるアクティビティの効果と価値を信じている。
  1. 黒田優(くろだ・ゆう)
    広島県広島市生まれ。4歳で始めた水泳で全国大会に出場する。高校卒業後に進んだ大学では、ライフセービング部に所属し、静岡県下田市のビーチで活動。ライフセービングのインストラクター資格を取得し、社会貢献活動にも携わる。大学卒業後、アウトドアメーカーの企画・開発としてキャリアを積んだのち、2020年にゴールドウインに入社。現在はGoldwin事業部で商品企画のマネージャーを務めている。
  1. 宮内聡子(みやうち・さとこ)
    神奈川県横浜市生まれ。中学入学と同時にバスケットボール部に入部。以来、生活の中心をバスケが占めるというライフスタイルを大学卒業まで続ける。卒業後は社会人チームに所属、現在も月に2〜3回程度、仲間を募ってプレーを続けている。2008年に新卒でゴールドウインに入社すると、同僚たちとスキーやスノーボード、登山に取り組むように。入社時から海外営業に従事し、現在はGoldwin事業本部の海外販売部のマネージャーとして、主に欧米エリアでのブランドのグローバル進出に尽力している。

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