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いつからかスポーツが一番になった

スポーツを一番に考える、SPORTS FIRST な想いを持った
ゴールドウイン社員のライフスタイルに迫ります。

将来は、自然に囲まれた中でキャンプ場をやってみたいと妄想しています。
酒井一成(GOLDWIN)

2016.09.13

テレビゲームが嫌いな、諫早の海と山で遊んでばかりの子どもでした。

長崎県の諫早で生まれ育った私は、小学校の頃は魚獲りとザリガニ獲りに夢中でした。遊ぶところは、もっぱら海か山で、当時ファミコンが発売され大人気でしたが、全く興味を持てなかったのです。ちょっと変わった子だったかもしれません。小さい頃から身体が細かったので、水泳を習わせたら後々バランスのいい身体になれるのではと母親が考えたようで、小学校の6年間は水泳教室に通いました。そのおかげで海に潜ることが大好きになり、遊びの原点ができたと思います。中学・高校では、バスケットボール部に所属。95年の冬に憧れのマイケル・ジョーダンのプレーを見たくて友人とアメリカのシカゴへ!ブルズvsロケッツでした。目の前でプレーを見たときは嬉しくて嬉しくて友人と絶叫していました。今となっては最高の思い出です。先輩に多額の借金をして行った価値はありましたね(笑)。 

国語の教科書で出会った、カヤック。その後の人生を左右することに。

そんな中、高校3年生のときに、国語の教科書でカヤックの存在を知ることに。それは、椎名誠さんが書かれた『岳物語』の一節でした。もともと本を読むような生徒ではなかったのですが、なぜかそれだけはハマッてしまい、すぐに本屋に買いに行きました。まともに本を買ったのはそれが初めてだったかもしれません。カヌーのイラストが載っていて、椎名誠さんが仲間とカヌーに行っているという話が本当に楽しそうで、カヌーっていろんな所に自由に行けるんだなあと、そんな旅的要素のあるカヌーにどんどん惹かれていきました。色々なことを自分で判断しなければならず、自己責任という究極の自由さが感じられるところが魅力ですね。 

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沖縄でのシーカヤックのガイド生活。夢のような6年間を過ごしました。

高校を卒業してからは東京で一度就職したのですが、あるアウトドアショップのアルバイト募集を見つけて、半年で辞めてしまいました。新しいお店をオープンするということで、これはもう行くしかないと。そして、20歳の時にある雑誌でシーカヤックを見て、えっ何?カヤックって海でもできるんだ!と、衝撃を受けました。それを見た瞬間に「やるしかない!」って思ったんです。その雑誌にはヘリーハンセンも載っていて、カッコよかったですね。そんな日々の中で、沖縄で会社をやっているある方との出会いがあり、その縁で沖縄に渡ることになります。
そこでの仕事は営業職でシーカヤックを販売する為に、あらゆる離島に営業に行くことができ、楽しくてたまりませんでした。でも、その楽しさの反面で、「あれ、カヤックをたくさん売っていたら、もしかしたらマングローブを傷つけることに自分が加担してしまうことにならないか?」と疑問に思い始めてしまったのです。
そして、ハードを販売するよりも、ソフト面を伝えられるほうが自分に合っているのではないかと思い始め、そんな時に私が尊敬するシーカヤックガイドの大城さんという方が独立するのを機に2人の共同経営でガイドの会社を立ち上げたんです。それから6年間、ガイド業を沖縄本島の西側にある慶良間諸島を中心にやりました。それはもう夢のような時期でした。年間100日はテントでの生活でした。自分自身の気持ちも研ぎ澄まされていたように思います。

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自分自身のスポーツ体験を、お客様に対する付加価値にしたいのです。

沖縄での生活は本当に夢のようでしたが、家族の病気をきっかけに、地元に帰ることになります。
いろいろ葛藤しながら2年ほど肉体労働の仕事をして暮らしている中で、以前に東京のアウトドア
ショップで働いていたときの仲間がゴールドウインで働いているという縁があり、私もゴールドウインで働くようになりました。もともと私は海好きでしたが、これまでの私の経験を活かしながら山が好きな人たちにアプローチするのも面白いかもと考えたのです。
これまでの私自身の人生の経験を活かすことができる仕事に就けたことはとても感謝しています。
ザ・ノース・フェイスの商品は、そのブランドに価値があるからお客様にお買い上げいただける。そこに、酒井一成という私自身の付加価値を付けることで、そのお客様にまた来ていただくことができる。その商品に付加価値を付けることこそが接客販売の仕事なんだということを、常にショップのスタッフと共有しています。そのためにも、自分の経験をみんなに伝えることを意識していますね。若いスタッフたちにけむたがられないように、やんわりとね(笑)。 

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アウトドアを通して、心を開放してリフレッシュできたら、もう最高です。

たとえばショップでテントの説明をする時に、私はショップの陳列棚を端に寄せてスペースを作り、
お客様の目の前で実際に立てて見ていただきます。お客様に言われるんです。「他のお店では見せてくれなかった。立てるのを初めて見た」って。これ、私の経験でもあるんですね。沖縄から
東京に出てテントを買いに行ったときに、そのお店の店員さんは「スペースがないから、ここでは立てられません」って。でも、欲しいと思っているこちらは、実際に見なくちゃ買えないと思っている。お客様の気持ちをもっとわかろうとするだけで、スタッフにできることは増えるはずなんですよね。だから、今のショップで自分がテントを立てる時に、もちろんお客様に対してお見せするのですが、同時に一緒に働いているスタッフに対しても「みんな、見とけよ、俺が立てるところを」という気持ちで立てるんです。見せて、覚えさせる。自分の目で見て、勉強できるようにチャンスを作ってあげたいんです。
将来的には、私は自然に囲まれた中でキャンプ場をやってみたいと思っています。そこは「リサイクル」というコンセプトのもと、例えば商品だったらアウトレット販売だったりリメイクをしたり。ワークショップやイベント、ヨガやプチ断食などで心もリサイクルしたり。また、太陽光や風力などの自然エネルギーだけで運営したり。
緑豊かな草原に2メータードームが点在し、ハイレベルでラグジュアリーなキャンプを提案できる。そんなキャンプ場が理想ですね。妄想みたいなものですが(笑)。

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  1.  酒井 一成(さかい かずなり)
    1975年 長崎県出身。
    2008年にゴールドウインに入社。
    現在はザ・ノース・フェイス福岡店に勤務。
    レザークラフトが特技でガイド時代にはこれで稼いでいた程の腕前。
    趣味はシーカヤックとスノーボード。

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