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父から受け継いだカンタベリー愛、ラグビー愛  森岡早紀

2022.03.29

ヨガをきっかけに転職を果たし、憧れの企画職に就くことができた森岡早紀さん。現在はカンタベリーでウイメンズの商品を中心とした商品企画とデジタルマーケティング、さらにラグビーファンに向け、ラグビー憲章に則ったイベントやプロモーション活動の企画立案を行っている。

「入社した当初は商品企画のみを担当していましたが、カンタベリーにもっと深く関わっていきたいと思って、自分がこのブランドに対して何ができるのかを考えました。そしてSNSでの発信の強化に取り組もうと考えたんです。従来のカンタベリーファン、ラグビーファンに向けてブランドの価値をさらに高め、より幅広い層に魅力を訴求して新しいファンを獲得しよう……そうしたとき、SNSが大きな武器になります。たまたま私がSNSをさわれたこともあり、デジタルマーケティングまでを任せてもらえることになりました」

ヨガのおかげで叶えた転職

そもそもカンタベリーに転職したのは、大阪の繊維商社時代にスポーツメーカーに興味を持つようになったという経緯がある。当時の取引先の一つにスポーツメーカーがあり、営業担当として出入りしていたのだが、そこでスポーツメーカーならではのものづくりに感銘を受けた。スポーツウエアの開発では、デザインや糸、素材の選び方はもちろん、ステッチや切り替えの入り方などすべてのディテールに理由があった。「機能がデザインを作る」という考え方が面白く、いつかスポーツメーカーで商品企画を行ってみたいという気持ちを抱くようになったとき、たまたまカンタベリーの求人を目にしたのだ。

一見、なんの接点もなさそうなヨガインストラクターの森岡さんとラグビーカルチャーだが、実は森岡さんは、父も弟もその周囲もみなラグビー経験者というバリバリのラグビーコミュニティ出身。「父はいつもカンタベリーの製品を着ていた」というように、幼いころからカンタベリーはごく身近にあるブランドだった。
「そんなラグビー一家のなか、私だけはラグビーとまったく縁のないライフスタイルを送ってきました。そんな私でもカンタベリーをよく知っていたのは、父が愛用するブランドだったから。父に限らず父が所属するコミュニティでは、カンタベリーはどんなブランドよりも愛されていました」

ラグビ―ファンにとってカンタベリーは特別な存在

カンタベリーに入社して1年が経ったころ、その父が亡くなった。遺品を整理して出てきたのは、父が大切にしていた、おびただしい量のカンタベリーのアイテムだった。20年以上も愛用した、ほつれもほころびもないラグビージャージ、記念のラグビーボール。森岡さんの入社を誰よりも喜んでくれ、ラグビー仲間に自慢していたという父の、ラグビーとカンタベリーへの愛情に触れ、あらためてカンタベリーで働くことに運命的なものを感じたという。

「父のラグビー仲間が葬儀に足を運んでくださったのですが、みなさんが“株式会社カンタベリーオブニュージーランドジャパン”と書かれた供花に感銘を受けている様子をみて、少しだけ父に親孝行できたような気がしました。同時に、ラグビーファンやカンタベリーファンのブランドへの熱量を感じ、父のカンタベリー愛、ラグビー愛を受け継いで、心からこのブランドを大切に育てていきたいと思いました。カンタベリーにまつわるコミュニティを作り上げてファンの輪を広げていくこと、そしてブランド価値を今以上に高めていくことが私の使命だと感じたんです」

父が遺してくれたたくさんのラガーシャツは森岡さんのインスピレーション源となり、そこからたくさんのひらめきを得た。いまは1990年代のカタログをリサーチし、この時代のエッセンスを森岡さん流に解釈し、新しいデザインへとブラッシュアップしているところだ。同時に2023年にフランスで開催されるワールドカップに向け、社員一丸となって新たなユニフォームやジャージの開発も進めている。

一方、カンタベリーコミュニティの醸成には自身が持っているヨガのスキルを活かせるかもしれないと考え、ヨガとラグビー、2つの背景をもつ森岡さんだからこそ可能な活動内容を企画している。たとえば、ラグビー愛好家に向けての筋膜リリースを主体としたラグビーヨガの開催。そのために、新たに筋膜の勉強も始めるのだとか。

ヨガがもたらしてくれたものに感謝して

ヨガを知らなければ自分の本質を見出すこともなかったし、転職しようとも思わなかったはず、と森岡さん。カンタベリーとの出合いも、父の死で悟ったカンタベリーで働く意義も、すべてはヨガの導きだと感じている。

「いまの私のチャレンジは、ブランドが掲げる”Be Tough“という理念をたくさんの人に広めることです。そのために必要なことは、コアなカンタベリーファンにも新しいファンにも受け入れてもらえる、魅力的でタフな商品を作り出すこと、”Be Tough“に基づいたプロモーションをおし進め、カンタベリーの魅力やブランドのアイデンティティを浸透させていくこと。さらにSNSを通じてファンとコミュニケーションをとり、長く愛されるコミュニティづくりにも貢献したい。私自身はさらにヨガを追求して心と身体の変化の波を味わい、それを楽しみたいと思っています。そうした経験をもとに私らしいヨガを伝えていくことで誰かの背中をそっと押すお手伝いができたら、こんな幸せなことはありません」

(写真 古谷勝 / 文 倉石綾子)

  1. 森岡早紀(もりおか・さき) 
  2. 大阪府出身。幼少時からクラシックバレエを習い、高校時代はパトントワリングに取り組む。大学で始めたダブルダッチでは念願の全国大会出場を果たす。大学を卒業後、繊維商社に就職するもストレスフルな毎日の中で心身の調子を崩し、ヨガに開眼。全米ヨガアライアンスRYT200、IHTA認定ヨガインストラクター1級などの資格を取得してヨガインストラクターに。1年半前、ヨガのおかげで転職を決意し、カンタベリーに企画として入社。現在はカンタベリーブランドの商品企画、デジタルマーケティング、イベントプロモーションの企画を行う傍ら、初心者向けのヨガレッスンも精力的に開催している。

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