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いつからかスポーツが一番になった

スポーツを一番に考える、SPORTS FIRST な想いを持った
ゴールドウイン社員のライフスタイルに迫ります。

釣りを通じて、沖縄の海と自然の魅力を伝える 西平龍太朗

2022.08.08

〈THE NORTH FACE +沖縄・浦添PARCO CITY〉スタッフの西平龍太朗さんは、子どもの頃から大の生き物好きだった。生き物に接する手段の一つが釣りだ。生まれは沖縄本島の東南端に位置する久高島、育ちは本島、父親が漁師という、釣りには最高の環境で成長した。父親のおかげで釣り道具には事欠かず、もの心ついたときからさまざまな魚を釣りあげてはそれを観察することを趣味としていた。

「釣ることよりも観察することが好きだったんです」と西平さん。同級生もみな、生き物が大好きで、学校が終わったら道具をもって海や森のなかで遊んでいたというから羨ましい。

好きが高じて大学ではナマコとオオウナギを専門に研究することに。

「いまは観察するのも学ぶのも、取るのも食べることも大好きです。オオウナギは高校生のとき、国際通り沿いの川にいるのを見つけたことが研究のきっかけ。ひと抱えもある太さ、大きさに圧倒されて以来、僕にとっては面白い生き物であり続けています。オオウナギ、食べたことありますか?焼くとウナギの香りがして、味わいはチキンそのものでおいしいんですよ。頑丈な生き物なので養殖も可能です。卒業後も大学院に進んで食用転換の研究を続けることも考えたのですが、コスト面から食用を断念して就職することにしました」

子どもの時から生き物の不思議に魅せられた

〈THE NORTH FACE +沖縄・浦添PARCO CITY〉に勤務することになったのも、実はナマコのおかげ。PARCO CITYができる前から目の前にある浜で研究用のナマコを取っていたといい、「浜の前にできる商業施設に〈THE NORTH FACE〉が入ると知り、そこでアルバイトとして働きたいと思った」そう。

「面接で当時の店長に聞かれたのは、ナマコとオオウナギのことだけ。なぜ採用されたのかいまだに不思議ですが、店長もその後、釣りを始めてハマってしまいました(笑)。ありがたいことに、お客さまのなかにも釣りに夢中になってしまった方が何人かいらっしゃるんですよ。釣りの魅力をうまく伝えられたということだから、やっぱりうれしいですね」

現在は勤務の傍ら、朝、もしくは夕方の空き時間に近場の河川で釣りを行い、月に2回はカヤックを使ってリーフフィッシングを満喫する。リーフではオニヒラアジなどのアジ類、ミーバイなどが、河川ではクロダイ、ガワラ、サメ、オオウナギなどが釣れるそう。けれど西平さんにとっての釣りの魅力とは、釣果よりもむしろ、自然のなかに長時間身を置けること。

「今日釣りをしたリーフは陸からすぐの場所にあるのに、サンゴがたくさん棲息していてとても綺麗でした。大きなシャコ貝もいたんですよ。漁業権がないから採れませんが、見つけるだけでも興奮しましたね。

確かに昔は、大きい魚、珍しい魚を狙いにいっていました。いまは釣ることよりもフィールドにいることが重要かな。キャスティグするよりも、海辺を歩き回って足元の様子を観察する時間のほうが長いかもしれません。こっちはサンゴが減ったなとか、海水温が上がっているなとか、周囲の自然の変化を観察していることが楽しい」

ものを売るだけでなく、環境のことも伝えたい

生き物への興味から環境に意識が向くようになったのは、ごく自然なことかもしれない。生物の研究をするときは、生物だけでなくその棲息環境をそのもの理解しなくてはいけない、と西平さん。大学では生物の生態を理解するため、環境政策も学んだ。経済と環境が共生する地域社会のありかたを学んだことが、現在の仕事にも生きている。

「店舗ではHELLY HANSENのVMDと同時に、環境にまつわる取り組みも担当しています。具体的には、着用しなくなった衣類を回収して再生する『GREENCYCLE』と、環境保護にまつわるイベントなどです。PARCO CITY前のビーチで定期的に行っている清掃活動を中心に、先日は僕の大学の先輩でもある『しかたに自然案内』の鹿谷法一さん主催の海の生物観察とビーチクリーンのお手伝いをしました。目の前の海は、大学時代のフィールドワークの場ですから、思い入れがありますね。

接客の際も、バーベキューでは自然に還らない木炭をビーチに持ち込まないとか、ごみの正しい処理の仕方とか、おしつけがましくならないよう、何気ない会話の中に環境への配慮をお伝えするように心がけています」

西平さんの子ども時代と比べると、海も山も明らかにごみが増えているという。特に近年、気になっているのが、海で見つけるルアーのごみ。これは子ども時代には目にしなかったものだ。釣りのシーンではごみが原因で全国の釣り場が減少するなど大きな課題になっているが、沖縄でも同様だ。

釣りのごみ問題をみんなで考えるきっかけに

「釣りをするお客さまにはまず釣り歴をヒアリングし、初心者であれば根掛かり(釣り針が水中の障害物に引っかかってしまうトラブル)を避けられる釣り場をご案内しています。大切な釣り道具も、根掛かりしてしまえばただのごみになる。海に入る人に怪我をさせる可能性だってあります。僕たちが釣りをするときは周囲のごみも拾いますし、根掛かりしたら泳いで回収にいきますが、全ての方がごみ問題を意識しているわけではありません。商品を売るだけでなく、イベントや店頭での接客を通じて、環境保全の意識や環境に配慮した遊び方を提案できることにやりがいを感じています」

いずれは大学での学びや現在の勤務で得た経験を生かし、環境アセスメント制度に関われたらと考えている。

「沖縄の素晴らしい環境を保全し、アップデートし続ける、そんな経済と環境が共生するような開発事業に携わってみたいです」

(写真 田辺信彦 / 文 倉石綾子)

  1. 西平龍太朗(にしひら・りゅうたろう)
    沖縄県出身。漁師である父親の影響で子どものときから釣りに親しむ。大学では、地域経済と環境政策の両分野を融合させた地域環境政策学科に進み、オオウナギとナマコの研究を行う。THE NORTH FACEとの出合いは大学時代、インターンで短期滞在した福岡で。〈THE NORTH FACE+キャナルシティ博多店〉のショップでスタッフの接客のファンになる。その後、〈THE NORTH FACE +沖縄・浦添PARCO CITY〉にアルバイトとして入店。卒業後、HELLY HANSENのVMDとして勤務することに。趣味の釣りは、長く続けていることもあってマイペースで楽しんでいる。

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