PEOPLE

いつからかスポーツが一番になった

スポーツを一番に考える、SPORTS FIRST な想いを持った
ゴールドウイン社員のライフスタイルに迫ります。

バランスのいい状態で、自然とスポーツ・ファーストになる。
西野美加(GOLDWIN) 

2015.06.24

中学生の時の陸上部の厳しさに、次の日が来るのが怖いくらいでした。

私は小・中・高と陸上部でした。主に、800m、1500m、3000m、そして駅伝などに取り組んでいたのですが、その日の練習が終わった直後から次の日が来るのが怖いくらい部活が嫌いだったんです(笑)特に中学生の時は他の部活のコからは「軍隊?」と言われるほどの厳しさで、絶対王政のような女性顧問のもと(笑)日々鍛えられました。ゆとり世代のはずが、私の青春に、ゆとりはなかったのです(笑)

高校生の陸上部では長距離は私一人で、1時間走をしてくるように言われて、富山市ですから海まで走って、その証拠に貝などを拾ってポケットに入れて帰ってくるんです。とにかく走っていました。その反動によって、高校を卒業した後は上京とともに一度スポーツから離れることになります。

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厳しい先生から言われていた言葉が、現在の自分の支えになっています。

中学3年生の時には駅伝部で主将を務めることになり、みんなをまとめて行くようにと言われ、練習でも誰かが脱落しないようにとか、普段から履くソックスもみんなで揃えようとか、気持ちから入るように!と意識させられました。先生から言われていた言葉で「驕り高ぶるな」とか、「人に謙虚な気持ちで接するように」とか、「図に乗るな」とか、今でも自分が調子に乗ってしまいそうな時に思い出しています。

高校を卒業してからは服の勉強がしたくて、専門学校に進みました。当時ゴアテックスやマウンテンパーカーが流行っていてスポーツウエアに興味を持ち、地元のゴールドウインに入社しました。専門学校への進学のために上京してからはしばらくスポーツから離れていた自分ですが、この会社に入ってからまたスポーツを始めました。

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トレランの魅力は、極限状態を共有することで一体感が生まれることです。

会社に入って先輩や仲間たちから誘われて、またいろんなスポーツをやるようになりました。登山やサッカー、キャンプやバックカントリーなどを経験し、今では立派なスポーツウーマンです(笑)最初は社内のアスレチック同好会に誘われて、福井の菊花マラソンの10kmに出場しました。ここで、7位という好成績を残してしまったんです(笑)中学生の時みたいに、記録を追求して追いつめられて走るのも嫌いじゃないですが、大人になって久しぶりに走ってみたら、とても気持ちよかったんですよね。

登山では、剣岳に誘われて登った時は、いきなりの断崖絶壁で「死にそう…」と思いながら、その時はちょうど結婚が決まっていた時で指輪やドレスも買っていたので、絶対に生きて帰らなきゃ母親が悲しむと思って頑張りました(笑)気がつけば2014年にはトレランデビューもしてしまいました。その上、スポーツが苦手な夫を「30歳を超えたんだし、代謝が落ちるんだから一緒に行こう!」と強引に引っぱって、それまで走ったこともない夫を今では30km以上のコースに連れ回しています(笑)トレランの魅力は、普段話さないような人たちと極限状態を共有することで、一体感が生まれることでしょうか。

補給食の計算をするのも好きで、日々の食生活の重要さにも気づきました。

最初のトレランは菅平の42kmでした。会社の先輩に秘密のトレーニングを受けて(笑)少しずつ自信をつけて出場しました。初めてのトレランの大会で、20代の女性で2位か3位に入ったんです。20代の女性の参加人数が少ないこともありまして。だって普通は他にやることがいっぱいありますからね(笑)それから何回も大会に出るうちに、この前の大会にも出ていたなぁと覚えている人と一緒になったり、走りながら言葉を交わしたりすることが楽しくなってきました。

あと、私は補給食の計算をするのも好きなんです。自分の身長や体重などから計算するのですが、何時間ぶんくらい必要か、それをどれだけ自分のリュックに入れていくか、自分は小柄なので180cmの身長の人のような量は入れられないし、走り過ぎて食べ過ぎて太ってしまうのは嫌だし、自分の好きな味のものは入れたいし…(笑)いかに自分の体内で摂取エネルギーを過不足なくベストな状態にできるかを考えるのが楽しいです。

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スポーツも楽しむ。服も楽しむ。仕事も楽しむ。そのバランスが大切だと思う。

自分は子どもの頃からスポーツをやっていて、ファッションも好きで、そのバランスを考えたら本当にいい会社に入ることができたと実感できています。機能性やディティール、設計が語れるような服が作りたいなあと、ずっと思っていたんです。スポーツウエアとして考えてみても、私が中学校の時のランニングは今みたいにオシャレじゃなくて(笑)でも今は、走ることまでオシャレになっている。かわいいウエアもあるし、多くの人が「自分も、ちょっと走ってみようかな」と思える雰囲気は、とてもいいと思います。

服の設計の仕事に携わることで、物づくりの大事さを実感できている。その場所が地元の富山にあるというのも、いいなと思います。自然がすぐ近くにあって、開拓され過ぎていない感じが好きです。富山の魅力を多くの皆さんに知ってほしいような、知ってほしくないような、でも知ってほしいです(笑)

スポーツ・ファーストという考え方も、私はバランスが大切だと思っています。スポーツも楽しんで、服も楽しんで、仕事も楽しんで、そのバランスをいい状態で保ちながら、自然とスポーツ・ファーストになる。そして、やりたいことを自分から言葉に出すことで、それを目標として意識することができると思っています。

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  2. 西野美加(にしの みか)
    1988年生まれ、2010年ゴールドウインに入社。
    5年間ハイテック事業部で半導体工場などできる静電服などの設計を担当。015年2月より、ノースフェイス事業部に異動しアウトドアアパレルの担当に。新婚にも関わらず、愛する夫を地元富山に残し、単身東京で勤務中。フットワークの軽さと、次の日には全て忘れるドライな性格。趣味は茶道、ミーハーSHOP巡り。目指すは、クリエイティブスポーツウーマン!

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