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スポーツを一番に考える、SPORTS FIRST な想いを持った
ゴールドウイン社員のライフスタイルに迫ります。

ダイビングが沖縄移住と環境への意識をもたらしてくれた 鈴木千草

2022.08.30

初めてのダイビングで沖縄移住を決意

大阪でアパレルの仕事に就いていた鈴木千草さんが、沖縄に移住したのは1年半前のこと。もともとサーフィンが好きで大阪近辺の海で波乗りを楽しんでいたが、移住へと背中を押してくれたのはダイビングだったという。

「3年前、沖縄の海で体験ダイビングを経験したんです。とにかく海がきれいで、海中で見られる光景に感動しました。それで、沖縄でダイビングをしながら生活しようと移住を決めたのです」

現在は、〈THE NORTH FACE +沖縄・浦添PARCO CITY〉のDANSKINおよびアスレチックラインのVMDとして勤務しながら、仕事の前後には自宅に近い北谷の海でシュノーケリングを、休みの日には真栄田岬周辺でのダイビングを、というように、海辺の暮らしを満喫している。どんなに仕事で疲れていても、ひとたび海に入ってしまえば不思議なほどリフレッシュできるそうで、海のアクティビティは日常のルーティンになくてはならない習慣なのだ。

「これまでに体験した最高のダイビングは、石垣島での1本です。海底で熟睡している、全長1mを超える老ウミガメに遭遇したんです。起こさないよう、ひっそり観察しましたが、そのどっしりとした存在感に圧倒されました。

よく『沖縄には四季がない』といわれますが、海中ではその時々で見られる生物が違います。先月はミジュンを見かけました。スーパーなどでも売られている小型魚で、春〜初夏に生まれ、アジやイワシのように群れで泳ぎます。シュノーケルをつけて群れを追いかけるだけでも楽しいんですよ」

ダイビングについては少しずつステップアップしていきたい、と鈴木さん。目下の目標はダイビングライセンスの取得だ。現在はインストラクターの補助を受けながら潜っているが、ライセンスを取得すれば潜れる範囲がぐっと広がる。

「より深い水域を潜ろうと思ったら、まずはライセンスが必要になります。ライセンスを取得して沖縄周辺のあらゆる離島を潜って、さまざまな海の生物たちと接してみたい。ダイビングの魅力は、ゴールがないところだと思います。行きたい水域がたくさんあって、到底、潜り尽くせない。だから夢中になるんです」

環境問題を自分ごとに

ダイビングを始めたことで、ライフスタイルも自然との向き合い方も、これまでとは180度変わった。

「沖縄で暮らしたくて、大阪で勤めていたアパレルの会社を退職してゴールドウインに入社しました。それまでまったく意識していなかった環境問題を考えるようになったのは、現在の仕事内容やダイビングのおかげだと思っています。

たとえば、海の漂流ごみ。お世話になっているダイビングショップの方も、そのほかのダイバーも、みんな当たり前のように海のごみを拾って帰るんですね。そういう姿勢を間近にして、私も自然とごみを拾うようになりました。それ以外にも、一緒に海に行く人に『ごみを拾おう』と呼びかけるとか、ビーチフレンドリー処方の日焼け止めを使うとか、ちょっとした行動ですが、こうした意識や心がけをもち続けることで一般の方も巻き込んでいけるのではと思っています」

地域に愛される店舗をめざして

接客業の長い鈴木さんだが、沖縄での接客には苦労することも。

「大阪では、お客さまの方から気さくに声をかけてくださったものですが、沖縄は人見知りの方が多いのか、お声がけを避けられたり、アプローチしてもなかなかお話ができなかったり。ですから、むやみにお声がけをするのではなく、お客さまの様子をよく観察して、お手伝いが必要と思われるタイミングでアプローチするように心がけています」

そうやって少しずつ関係性を築いていった結果、顧客との間にさまざまなつながりが生まれている。たとえば、〈THE NORTH FACE +沖縄・浦添PARCO CITY〉には地元のダイビングショップのスタッフやインストラクターも足を運んでくれるのだが、いつ、どこで、どんな魚に遭遇できるのかといった、貴重なダイビング情報もシェアしてくれる。一般の顧客もストアイベントに参加してくれるようになった。SUNSKIのサングラスをかけて自然観察会とビーチクリーンを行うイベントを近所のビーチで実施した際は、子ども連れのファミリーが多数、足を運んでくれたそうで、店舗での接客の手応えを実感できた。

「イベントをきっかけに商品を勉強し直し、ビーチの自然環境についてリサーチを行うなど、スタッフにとっても学びの多いイベントとなりました。うちの店舗ではダイビングにまつわる商品を扱っていないので、直接、ダイビングにつなげる提案はできませんが、沖縄の海や自然をテーマにしたイベントを企画することはできます。環境をテーマにしたイベントをきっかけに、たくさんの人に環境保全の意識をもっていただけたらうれしいですね」

長く続けていたヨガの経験を活かし、今後はDANSKINのアンバサダーを招いてビーチヨガを実施するなど、地域の顧客に向けたイベントを積極的に企画していきたいと考えている。

「沖縄に来て、まだたった1年半。ダイビングのスキルアップはもちろんですが、少しずつ地域に溶け込めていけたら嬉しいです」

(写真 田辺信彦 / 文 倉石綾子)

  1. 鈴木千草(すずき・ちぐさ)
    宮城県出身。大阪でファッションアパレルの接客に携わっていたときに、ダイビングを初体験。沖縄での生活を志し、1年半前に転職・移住を果たす。現在は〈THE NORTH FACE +沖縄・浦添PARCO CITY〉に勤務し、ヨガ経験を生かしてアスレチックとDANSKINのVMDを担当。現在は、信頼するインストラクター、稲村皓希さんのもとでダイビングライセンスの取得を目指している。趣味はダイビング、シュノーケル、サーフィン、たまに釣り。

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