SPOTLIGHT

注目のコトやモノを実現した想い

ショップやイベント、製品開発などに携わるヒトのこめられた想い、
ストーリーに迫ります

SFM180304-00039

ボランティアで広がる世界 石成拓也

2018.03.28

シート、フレーム、サスペンションによって構成されたチェアスキー。チェアスキーヤーはこの不安定な乗り物を自在に乗りこなす。その大変さは実際にすべってみるとよくわかる。シートに乗り膝や足首を固定する。バランスは体幹と小さなスキーが先端に着いているアウトリガーに委ねられる。制止するだけでも体が揺れる。普段なら「斜面」と思わないような坂を下りるだけでも大変だ。体験を通じて、チェアスキーヤーのすごさがようやく理解できる。

  • takuyaishinari
  • takuyaishinari
  • takuyaishinari
  • takuyaishinari

2018年3月。ゴールドウイン事業管理室の石成拓也さんは苗場スキー場にいた。『ゴールドウイン ナスターレース ユース・ジャパンカップ』の併催イベントとして行われた、チェアスキー体験会のボランティアスタッフとしてだ。石成さんにボランティアに参加した理由や現在の仕事について聞いた。

takuyaishinari

見ると実際にやるとの差
体験会にはパラリンピアンの高村俊彦さんをはじめとするインストラクターを迎え、2日間で延べ50名ほどの方が参加した。参加者の多くは『ナスターレース』に参加した子供たち。石成さんは、子供たちが初めて触れるチェアスキー体験を助けるボランティアスタッフとして参加した。ボランティアへの参加はどのような動機だったのだろうか。

「会社の掲示板で『ナスターレース』のボランティア告知を見つけました。このレースはゴールドウインが30年近くサポートしているレースです。今回は7名のボランティアが集まりました。実は、会場に来るまではチェアスキーのことは何も知りませんでした。ですので、まずは自分たちがチェアスキーを体験し、学ぶところから始めました」

takuyaishinari

実際にチェアスキーを体験し、石成さんは「こんなのやれるわけがない」と、あまりの難しさに舌を巻いたという。

「チェアスキーで自立するだけでも難しかったですね。でも、パラリンピアンの高村さんに教わると、難しいけれど、やってみると楽しい気持ちがわき上がりました。だけど、なだらかな坂でも、……怖かったですね(笑)」

takuyaishinari

チェアスキー体験後、石成さんはすぐに体験させる側に回った。子供たちに安全上の注意を伝え、装具を付け、坂の上に連れて行き、手を離す。坂の下には別のスタッフが待ち構えており、倒れないようにキャッチする。体験ですべったのはわずか10メートルほどの距離だったが、石成さんたちは、子供たちに怪我ないように細心の注意を払っていた。

「やはり、怪我をしないように止めるところは気を遣いますね。あと、チェアスキーと人とが接触をしないように気をつけました。十分安全には配慮した状態での体験ですが、怪我をしないように気を遣いましたね。勘の良い子は数回やるだけで乗りこなす。びっくりしましたね。

僕は会社でのボランティア活動は今回で3回目の参加です。参加すると楽しいし、『経験』を得ることができます。これまで、スノーボードしかやったことがなく、スキーは未経験でした。未経験の者がいきなりスキーをするのはハードルがありますが、この『ナスターレース』のボランティアに来ればうまい人に教えてもらえるチャンスもある。スキー以外でも、毎回新しい経験をすることができるんです。それに、ボランティアをすることで他の部署の人、年齢も違う人に出会えますよね」

takuyaishinari

ボランティアで得たもの

今回のボランティアでチェアスキーヤーと接して、石成さんはなにを感じたのだろうか。

「健常者か障がい者は関係なく、『選手』として活躍する人というのはすごい人たちなんだなと思いました。パラリンピアンが本気で滑るチェアスキーを実際に見ましたが、本当にすごい急斜面をすべります。驚きましたね。……本当にすごい。もっと、多くの人に見てもらえたらいいですね。

先日5つのメダルを獲得したチェアスキーヤーの村岡桃佳選手はゴールドウインのスキーウエアを着ています。自分たちが作るウエアを着て大きな舞台で活躍する姿を見ることができるなんて、本当に幸せだなと感じますね。会社を通じ、選手たちのサポートをすることで、スキー業界全体の盛り上がりにつながればなと思います。

子供たちもチェアスキーを見て、そして実際にやってみて意識が変わったようでした。見るだけではなく、自分がやったからこそ、チェアスキーヤーのすごさがわかったんでしょう。知るということは、いろんな裾野が広がっていきます。自分がやったことのある競技は応援がしたくなるでしょう。スポーツの楽しさは、やるだけじゃない。応援することも楽しさの一つだと思うんです。

takuyaishinari

石成さんの日々の仕事はGOLDWINブランドやC3fitの事業管理。仕事でフィールドにでることはほとんどない。自身でスポーツウエアを扱っているのに、フィールドに出ないことに対し、一種の後ろめたさも感じていたそうだ。

「日々、Excelと格闘しています(笑)。自分はスキーを担当しているのに、スキーをしたことがないという後ろめたさもありました。しかし、このボランティアを通じてフィールドに出ることができたし、アスリートの方に接することができたのは、実務的な面でも大きなメリットだと思います。数字と実際のフィールドがリンクするんですね。

数字だけだと、『なんでこんな数字なんだろう?』とイメージがExcelから外に出ない。でも、フィールドを知ることで、もっと深くイメージができる。今回も、すべるだけではなくて、ゲレンデショップや一般のスキーヤーのスタイルを見たりしていました。外国人観光客が多いのも実感しました。そういうのも、実際に見てみないとわからないですね」

takuyaishinari

小中学校時代をマレーシアで過ごしたという石成さん。日本のように同じことをずっとやり続ける部活動のスタイルはでなく、シーズンごとに好きなスポーツを楽しんだという。様々なスポーツ体験がゴールドウインへの興味となった。

「学生の頃にサッカー、テニス、水泳、バスケ、陸上など、様々なスポーツを体験することで、スポーツの楽しさを知りました。仕事をするなら、いろんなスポーツに関わることのできればと思ったんです。それが現在の仕事につながっています。

今、事業管理の仕事をしていますので、携わっているブランドを強くしたいというのが一番にあります。特にオリジナルブランドである『C3fit』は海外でももっと広めていける商品だと思います。今後、もっと海外事業を強くしたいなと思います。そして、新しいことに挑戦し続けていきたい。新しい経験から、人脈や知識が広がっていきますから。そして、いずれは少年時代を過ごしたマレーシアでゴールドウインの仕事をしたいですね(笑)」

meiyamamoto

  1. 石成拓也

    1992年生まれ。2015年ゴールドウインに入社。
    事業管理室にて「GOLDWIN」と「C3fit」ブランドを担当。
    小学校3年生から中学校卒業までマレーシアで過ごす。マレーシアでの7年間、雪とは無縁だったため、今でも雪を見るとテンションが上がりはしゃいでしまう。
    旅行が好きで、連休には様々なところへ行き、地方の名産や地酒・温泉巡りをしている。

(写真 古谷勝 / 文 井上英樹)

RECOMMEND POSTS

RELATED SPORTS