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UTMF2019-00278

スポーツが生み出す絆は、新しい挑戦へと続いていく 大桐崇道

2019.06.29

2019年のUTMF、終盤の難所である杓子山はみるみる白銀の世界となっていった。C3fit 阪急イングス店の大桐崇道さんの6回目となるUTMFは、ゴールまで10kmを残して終了となった。吹雪に加え雷が鳴るという荒天により、レース中止の措置がとられたのだった。

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経験があるから、雨にも動じない

スタート前から雨が降っていた2019年のUTMFは、過酷なレースとなることがある程度は予想されていた。スタート地点の静岡・富士こどもの国まで京都から遠路はるばるやってきた大桐さんは、しかし笑顔を交えながら抱負を語ってくれた。

「緊張もなく、今までで一番リラックスして臨めています。目標タイムもありますが、まずは楽しめたらと思います」

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大桐さんにとって、6回目のUTMF。豊富な経験が、雨にも100マイルという距離にも動じさせない。さらに今回は、阪急イングスの同じフロアにあるザ・ノース・フェイスの店舗スタッフの加藤さんがサポートで手伝ってくれた。

スタートして50km過ぎのA2麓エイドに笑顔で入ってきた大桐さん。温められた食事やGPSデバイスの充電といった物理的なサポートに加え、誰かが自分を待っていてくれるという心理的な安心感も大きかったという。

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「山の中では悲惨な顔をしていたかもしれませんが(笑)、エイドが近づくにつれ笑顔で走れました。人がいてくれるというのは大きいです」

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来年こそはゴールしたい

その後も加藤さんの献身的なサポートを受け、いよいよゴールも間近というところで下された、レース中止の報せ。指先はかじかみ感覚を失っていた。そんな状況だっただけに、レース中止は賢明な判断だと大桐さんは述懐する。しかしゴールの瞬間を加藤さんと分かち合うことが叶わなかったことは、残念だという。

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「僕よりもむしろ加藤君の方が残念がってますね。初めてのサポートで右も左もわからない中頑張ってくれて、一緒にゴールしたかったですけど。本人は『来年も絶対やらせてください』とすでにリベンジに燃えています(笑)」

トレイルランを始めて12年になる大桐さんは根っからのスポーツマンだ。高校はバレーボールの選手としてスポーツ推薦で進学、成人後はスノーボードにのめり込み、夏はニュージーランドで数ヶ月過ごす、そんな生活を送った。

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愛用のスノボウェアがヘリーハンセンだったことがきっかけで、ブランドストアで働くようになり、その頃トレイルランニングに出会った。ランニングに熱中するうちに、ザ・ノース・フェイスのランニングラインが立ち上がり、製品のフィードバックを手伝うようになった。仕事で好きなことをできるのは嬉しいですよねと笑う。

C3fitもまた、ランナーに広く支持されるブランドだ。お客様にもランナーが多く、接客の会話も弾むという。UTMFはどうだった? と大桐さんの挑戦を気にかけるお客様も多いのだとか。店舗には、雪景色の写真付きでUTMFの報告パネルが置かれていた。

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サポートの大切さをお客様から学ぶ

「2015年、3回目のUTMFでは一緒にトレイルを走っていたお客様に『サポートをするよ!』って言っていただいたんです。こちらも恐縮していたのですが、熱意に押されてお願いすることになりました」

そこには自身もトレイルランナーだからできる的確なサポートがあった。そしてサポートすること自体を楽しむメンタリティ。このお客様のサポートには大きな感銘を受けたという大桐さん。

「すごく順調に走れたんです。実際、この時のUTMFが自己ベストの順位でした。しかも、家族と一緒にゴールする瞬間をこの方が撮ってくださっていて……この写真は今もスマホの待ち受けにしています」

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経験が、新しいチャレンジへの扉を開いた

単に製品の販売だけという関係ではなくて、体験を共有できたことが嬉しかったと語る大桐さん。自分の仕事が、物を売るだけではないということを改めて意識するきっかけにもなった。

「製品やアクティビティを通じて、ブランドとお客様が繋がることが大切だと考えています。お客様はもちろん、共に働く仲間にもそうした経験を共有できればと思います。お客様やスタッフと絆を作っていけるのは、この仕事のやりがいのひとつです」

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事実、UTMFで大桐さんのサポートをした加藤さんは、この6月に初めてのトレランレースにチャレンジするという。経験が新たなるチャレンジへと扉を開いたのだ。大桐さんは目を細める。

「来年は加藤くんをUTMFのゴールまで連れていきたい。いや、サポートされるのは自分なので、自分が連れて行ってもらうのかもしれないですけど(笑) 今年は淡々と、大崩れすることなくよく走れたという手応えを得ました。次はもっと速く走れるはずです」

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来年は40歳で迎えるUTMFとなる。節目の大会でベストタイムを出したいと意気込む大桐さん。その挑む姿勢に、またきっと多くの人が共感し、応援し、そしてインスパイアされる。ゴールできなかったUTMFは来年、いや、もっと先の未来までつながっているのだ。

  1. 大桐 崇道
    1980年生まれ。学生時代はバレーボールに打ち込み、成人してからはスノーボードに熱中。冬はスキー場で働き、夏はニュージーランドで過ごすスノボ漬けの日々を送る。トレイルランと出会ってからはUTMFをメインのレースに今年まで6回出場。現在は阪急うめだ本店C3fitのユニット長として、モノだけでなく経験を通じた接客を日々行なっている。

(写真 古谷勝 文 小俣雄風太)

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