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ゴールドウイン社員のライフスタイルに迫ります。

彼女が走り続ける理由 榎 祥子

2019.02.14

実体験に基づく接客 彼女が走り続ける理由

「ザ・ノース・フェイス フライト トウキョウ」で販売スタッフとして働く榎 祥子さんは、走りっぱなしだ。

shokoenoki

 学生時代から続けているフルマラソン。さまざまな大会に毎年参加し、すでに15の大会で完走。「ゴールドウイン」に入社後はトレイルランにも目覚めた。UTMFのブースにスタッフとして入ったことがきっかけとなり、すぐに「中能登トレジャートレイル(25km)」にエントリー。「フライト トウキョウ」に移ったのがきっかけで、さらにトレイルランの世界へ。昨年は「ハセツネ30K(30km)」、「トレニックワールド in おごせ・ときがわ(50km)」、「筑波連山天空ロード&トレイルラン(50km)」、そして「ハセツネカップ(72km)」も完走。年代別で6位に入賞した。レース以外にも、鎌倉の山でのトレイルランや、日常生活に溶け込んだ日々のランニングなども楽しんでいる。

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専門ショップスタッフとしての責任

なぜそんなに走るのか?

「純粋に楽しい、というのはもちろんなんですが、自分の仕事のためでもあるんです」

現在彼女が働く「フライトトウキョウ」は「ザ・ノース・フェイス」初となるランニング専門ショップ。ロードもトレイルも、ランにまつわるすべてをフォローするお店だ。その範囲は商品の販売だけに留まらず、イベント開催や走りに対するアドバイスまで多岐にわたる。

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「ランニング専門ショップのスタッフである自分に求められることはなにか? と考えた時に、説得力のあるアドバイスと、より具体的な提案が必要だと考えました。お客さん自身が向上心や探究心のある方が多いので、デザインの良し悪しなどよりも、機能性を重視する傾向があります。私よりも断然走れる人も多いので、曖昧な接客では通用しません」

そこで彼女が選択したのが、数多くのレースを経験するということ。

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「経験したことじゃないと、自信を持って言えないですから。商品を実際に自分で使ってみるのは当たり前。レースに出るときにはなにが必要でなにが必要じゃないのか? そういうことはやはり出てみないとわかりません。自分も昨年は初めての距離に挑戦することが多かったので、不安に思うことも結構ありました。

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そういう不安をこれから挑戦しようとしているお客さんと共有、共感できるようになって、アドバイスができるようになったのも経験のおかげだと思います。タイムはあまり意識していませんが、お客さんに商品を勧める立場なので、やはりきちんと走れて、そこそこのタイムを出せるようにはしておきたい。それが説得力に繋がるし、販売する立場の人間の責任でもあるように感じます」

彼女が目指しているのは、実体験に基づく接客であり、経験値、達成感の共有だ。

「だから、もっともっと走って、レースに出て、経験を積む必要があると感じています」

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榎さんはいま、来年のUTMFへのエントリーに向けて、ポイントを積み重ねている。スタッフ4人のうち、榎さん以外の3人はUTMF完走者。お客さんにも100マイルレース経験者は多い。

「だから、その世界を自分も体感してみないといけないと感じています。100マイラーの気持ちは100マイラーにしかわからないことも多いでしょうし、それを達成するためには、なにが必要かを自分自身の体を使って確認しないと、きちんとした接客ができないんじゃないかと思うんです」

もちろん、そうしたことができるのは、純粋に「走るのが好き」という面も大きい。

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「2019年は東京マラソンに出場しますし、いつかはワールドマラソンメジャーズ(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティマラソンの6つ)も制覇してみたい。海外の100マイルレースにも興味があります」

ランの世界へ誘うイベントを

将来的には、ラン関連のイベントの企画運営もやってみたいという。

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「現在お店では『ウルトラランニングクラブ』という、毎週水曜日にみんなで皇居を走るイベントを開催しています。ランニングの講師の方も来てくれるので、アドバイスを受けながら走ることができます。

スタッフとしては、店舗以外のところでお客さんと交流できるのがうれしい。顔と名前を覚えてもらえるし、お客さんの走りのレベルもわかる。どんなところで悩んでいるのかなども聞けます。そのコミュニケーションを元に、ステレオタイプではない、その人に合った接客ができるんです」

お客さんとお店を繋ぐようなイベントをもっと増やせれば、よりオーダーメイドな接客ができるはずだと、榎さんは考える。

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「トレイルランをやってみたい、という声はたくさん聞きます。そういう人が自然と始められるようなイベントができないかなと思っています。例えばシューズやウェアなどもレンタルして、実際に使ってみてもらうランの会とか」

榎さんは、いままでレースでリタイアしたことがない。やると決めたら、やりきる性格。ランの楽しみを伝え、広めるという長距離レースも、きっと完走するに違いない。

  1. 榎 祥子
    1992年生まれ。兵庫県出身。中高は陸上部の中長距離の選手として、県大会にも出場。現在は、マラソンとトレイルランに注力している。フルマラソンは15回完走し、現在の自己ベストは3時間56分。トレイルランでも国内外の様々な大会に出場し、昨年はハセツネカップ(72km)を年代別6位という成績で完走。現在は2020年のUTMF出場に向けて奮闘中。

(写真 古谷勝 / 文 櫻井卓)

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