PEOPLE

いつからかスポーツが一番になった

スポーツを一番に考える、SPORTS FIRST な想いを持った
ゴールドウイン社員のライフスタイルに迫ります。

SFM-SEKI-7

本当にいいものを格好よく着ていただくために 関 晶

2019.01.22

好青年、という言葉がふっと浮かんできた。人好きのする、柔らかな物腰の青年は、福岡にあるTHE NORTH FACE + キャナルシティ店の店頭に立つ関 晶さん。商品について聞くと、実際の使用用途を踏まえた特徴や今着ている服と合わせた着こなしを教えてくれた。この人はどうやら、相当なアウトドアマンらしいと気づくのにそう時間はかからなかった。

sekiakira

関さんは福岡から遠く離れた長野県麻績村の出身。バスが走るのは1日に5本という山村で育った。大自然に囲まれた環境で、高校時代は山岳部に所属。外岩に触れたのもこの頃だ。

「高校の中にボルダリングの壁があって、それで初めてクライミングっていうものを知りました。高校2年生の時に、近くにリードの10メートルくらいの壁があるところに連れていってもらって。そのときに外岩に初めて触れたんです。

sekiakira

当時その壁はあまり登られてない場所で、ルートはあるんですけど苔だらけだったんですよ。そこをブラシ持って苔を落としながら、ほぼ開拓ぐらいの感じで掃除して。でも一回では登れず、何度も通ってやっと登れるようになりました。その達成感、なんて面白いんだと思って、クライミングにハマりました」

sekiakira

なるほど、岩を目の前にした関さんの瞳はきらきらと輝いている。岩に触れるのが嬉しいんです、といいながら手をかけていく。ロッククライミングは少しご無沙汰だそうで、岩の感触を確かめるように手と足で岩に吸い付いていく。

ここのところは登山にトレランと、他のアクティビティで忙しくしていたそう。先週も福知山の先にある牛斬山の笹の草原を走ってきたんです、と笑いながら話してくれた。ほんとうに、アウトドアマンなのだ。

sekiakira

この日最初の岩。狙っていた課題には何度もチャレンジしたが、跳ね返された。けれど起き上がるたびに「楽しくなってきました」「燃えてきました」なんていっていつのまにか薄着になっている。全身で岩との対話を楽しんでいる様子。「岩という自然が好きです。ワクワクしますから」

高校の山岳部では、クライミングだけなく登山にもよく出かけた。顧問の先生はよく海外の山を登る人で、夢に挑むことの素晴らしさを見せてくれた。関さんはその行動力に憧れ、人を山に連れて行く山岳ガイドの仕事を志すようになる。アウトドアの専門学校に進学し、ガイドのアシスタントとして山を駆け回る日々が続いた。

sekiakira

「夏休みのほとんどをガイドのサブとして回って、仕事としてやりたいなという気持ちもあったんですが、それと同時に社会人経験もなく好きなことしかやってなかった僕が、命に関わるこの仕事をしてもいいのかと悩みました」

sekiakira

山と共に生きることを肌で学んだからこそ、自信を無くしてしまったのだという。社会人としての経験を積むこと、それでもアウトドアが好きな気持ちは常にあった。THE NORTH FACEのウェアがもともと好きだったこともあり、今の仕事に就いた。社会人1年目、最初は難しいことばかりだったと振り返る。

sekiakira

「それまで山ばっかりでファッションのことなんて全然わかってなくて。洋服を買い漁って、ファッション雑誌を読み漁って、いろんな先輩に『これどうやって着たらいいんですか?』接客も『どうやったらいいんですか?』って。そこから徐々に馴染んできた感じです」

最初はうまくいかなかった接客も、持ち前の勉強熱心と誠実さで少しずつお客様がついてくるようになった。そしてやはり、山の知識と行動力がお客様の心を掴んでいるようだ。

sekiakira

「僕、休みのたびに山に行っているので、『あそこの山のあの花だったら今週末がラストです』とか『ガイドブックにはこのルートは紹介されてますが、今の時期だとここのルートだと湧き水湧いていて、人も少ないし静かに登れますよ』なんて言っていたら『このあいだの山、スゴク良かった!他にいいとこないの?』なんてお客様も増えてきて」

sekiakira

この日3つめの岩と対峙しても、その表情は疲れを知らずに爽やかだ。反り返った大岩には、取っ掛かりがなさそうに見えるけれど、全身を使ってしがみついていく。何度も何度も、同じムーブにトライしていく。この日はできなかったけれど、関さん、ロープクライミングもすごく好きだと語る。

sekiakira

「ロープはやってることが複雑なんですけど、その中でひとつひとつのことは実はシンプル。ロープがあるだけで一気に世界が広がるというか、例えば何百メートルだろうが千メートルだろうが、ロープのシステムさえ覚えてしまえばどんなところでも行けてしまうんです。そういう知らない世界を知ることができるのが楽しい、っていうところがありますね」

sekiakira

アウトドアマンはしかし、THE NORTH FACEのファッションとしての魅力も伝えていきたいのだという。「僕自身、THE NORTH FACEを知ったきっかけは山でしたし、その物作りが大好きです。THE NORTH FACEはもともとはアメリカのカウンターカルチャーが発祥で、お客様にもロゴが好きっていう方が多くて。

sekiakira

だからこそブランドの象徴とするロゴの意味や、そもそものブランドの成り立ちを伝えたい。今トレンドだから売れているのじゃなくて、純粋にいいものだから売れているんだと感じています。ファッションとしてTHE NORTH FACEを求められるお客様に、本当にいいものを格好よく着ていただくための接客を磨きたいと考えています」

慣れない九州の地に来てまもなく3年目を迎えようとしている。初めは自分からお客様に話しかけられず、話しかけられても半分は言っていることがわからなかった。「お客様に『これ、からってもいいですか?』って聞かれて答えられなかったんです。福岡ではリュックを背負うことを『からう』って言うんです」そんな失敗談も笑って話せるようになった。

sekiakira

かと思えば、「九州の山はだいたいもう登りました」なんてさらりと言うアウトドアマンの顔には自信ものぞく。自分の経験からモノを語ることのできる好青年が、今日もTHE NORTH FACE+のお客様をおもてなししている。

  1. 関 晶
    1996年生まれ、長野県東筑摩郡麻績村出身。高校時代に山岳部に入り、登山やクライミングといったアウトドアアクティビティに夢中に。2017年よりTHE NORTH FACE + キャナルシティ店に勤務し、九州各地のフィールドで日々アウトドアを楽しんでいる。

(写真 丹野 篤史 / 文 小俣雄風太)

RECOMMEND POSTS

RELATED SPORTS