PEOPLE

いつからかスポーツが一番になった

スポーツを一番に考える、SPORTS FIRST な想いを持った
ゴールドウイン社員のライフスタイルに迫ります。

SFM-kawazoe-8

こんなにいい山があるんだから、みんなに楽しんでほしい 川添奈緒美

2019.07.16

梅雨の由布岳は、霧の中にすっぽりと包まれていた。「山頂が見えないですね」とちょっと残念そうに、でもこれから始まる登山に少し声を弾ませるのは、THE NORTH FACE+ トキハわさだ店の川添奈緒美さんだ。

manamikawazoe

ちょうど前日に、THE NORTH FACEに勤めて5年目を迎えたという川添さんは、大の山好き。休みの度に大分県内、そして隣県の山を登り歩いている。山登り歴を聞いてみると、もう10年になるというから相当だ。

医療事務に従事していた前職時代に、同僚の誘いで何気なく始めた登山。山にいる時間は、その頃から今まで彼女にとって特別なものになっている。

manamikawazoe

「登山のベテランの方に、5〜6人のグループでよく山に連れて行ってもらっていました。今思えばマイナーな山とか、コアな山に結構行っていましたね(笑)それで丸一日山にいることが普通になりました。山に入ると耳を澄ましたり、深呼吸したり、目を凝らしたり、五感を使います。それがリフレッシュできる、心地よい時間だなって」

由布岳の登り口は開けた草原になっている。が、この日は霧で真っ白だ。当然誰も登っている人はおらず、ちょっと異世界にきてしまったような、そんな気持ちになる。川添さんは手際よくザックにレインカバーを被せ、自らはレインジャケットを着込む。雨を気にする様子はない。

manamikawazoe

山頂の見えない由布岳を目指して、雨の中を歩き出す。すっかり着込まれた川添さんのレインジャケットの表面には水が少し染み込んでいる。撥水性の落ちたレインジャケットは物言わずとも、彼女が雨の中を揚々と歩く登山者であることを教えてくれる。

「ショップの店員なのに古いのを着ているようで、ちょっと恥ずかしいです……」と照れ笑いの川添さん。

それにしても、歩くペースは快調だ。取材ということを気にせずいつものように山を登ってください、と歩き始めたものの、すいすいと登っていく川添さんのペースには驚かされた。雨でぬかるむ足元もなんのその、息も切らさず山を上がっていく。

manamikawazoe

「山に行ったら、たくさん歩きたいって思いますね。そこに行かないと見れない景色に感動して、リフレッシュできるんですが、それが自分の足で歩いてできる、っていうのがすごく楽しいんです」

manamikawazoe

5年前、自分の好きなことが仕事になれば、とTHE NORTH FACE+ トキハわさだ店に加わった。山好きの同僚も多く、そして販売するブランドへの情熱も大きかった。仲間に刺激される形で川添さんの山行と仕事は幅を広げていく。

manamikawazoe

「スタッフもそうですが、お客様も山好きの方が多くて。山に行ったらお客さんに会うことも。『あ、ノースのお姉さんや』って言われたり(笑) 接客ということでは、提案したアイテムを後でお客様に『良かったよ』と言ってもらえた時はやりがいと嬉しさを感じますね」

manamikawazoe

機能性に富む商品を多数扱うショップなだけに、いかにその機能を伝えるかには難しさと工夫が必要だと話す川添さんだが、それが伝わった時の喜びもまた大きいようだ。

一番のお気に入りは、九重連山

天候の回復を祈りながら、九重山の登山口へとやってきた。ここは川添さんの一番好きなフィールドだ。

manamikawazoe

「同じ九重連山でも登る場所によって景色が全然変わるんです。植生も違うし、木々が低くて開けているところもあれば、原生林を歩くところもある。『今日はここまで行こう』『今日はこことあの山を行こう』っていうその日の気分にも応えてくれます。紅葉も冬の雪山もキレイで」

山の中では雨足も弱まり、レインジャケットを脱いでさらに快調に歩いていく川添さん。ところどころで立ち止まっては、写真を撮りながらの登山。自分のペースで、自分の楽しみ方を知っている人の登り方だ。

manamikawazoe

九州の山に親しむ彼女が、目標に掲げるのは北アルプス遠征だ。そこには行ったことのない山を登って、自身のレベルを上げたいという気持ちがある。

「色んな山の経験があれば、接客にも説得力が生まれると思います。今は、リアルな情報を伝えることが求められていると感じていて。夏山にもチャレンジしたいですし、まぁ、単純に登りたい山がたくさんあるってことなんですけど(笑)」

manamikawazoe

商品だけでなく、登山の楽しさを伝える

そんな彼女は、近頃はモノだけでなくコトを提供しようと奔走している。

「イベントの開催運営に力を入れていて、昨年は『キッズネイチャースクール』という親子向けのイベントを担当しました。去年は初めてということもあり大変で煮詰まることもあったんですが、今年は周りとも相談しつつ、その経験を活かして準備を進めています」

manamikawazoe

関東から始まったザ・ノース・フェイスの「キッズネイチャースクール」は関西、そして今では北海道でも開催される人気のイベント。親子で参加できるイベントが多く、自然と触れ合える機会を提供している。

川添さんが担当するキッズネイチャースクールの種目はトレッキングで、11月に開催予定だ。

manamikawazoe

「THE NORTH FACE+ トキハわさだ店に入る前から、イベントを通してフィールドに出て遊ぶことの楽しさを伝えていきたいと思っていたんです。こんなにいい山がたくさんあるんだから、みんな楽しんでくれたらいいなって」

開催場所は、川添さんお気に入りの九重連山。参加する親子が、5感を使ってリフレッシュできる、心地よい時間を過ごすであろう11月の秋の日を想って、川添さんはにこっと微笑んだ。

  1. 川添奈緒美
    大分県大分市生まれ。前職時代に始めた登山の虜となり、2014年からTHE NORTH FACE+ トキハわさだ店に勤務。九州エリアのイベントを統括し、11月には九重連山で「キッズネイチャースクール」を開催予定。売り場では現在HELLY HANSENを担当している。

(写真 丹野篤史 文 小俣雄風太)

RECOMMEND POSTS

RELATED SPORTS