PEOPLE

いつからかスポーツが一番になった

スポーツを一番に考える、SPORTS FIRST な想いを持った
ゴールドウイン社員のライフスタイルに迫ります。

もっとフィールドへ。富山という場所にいる意味。
木下比呂巳

2018.03.22

富山にあるゴールドウインテクニカルセンター商品部商品1グループで働く木下比呂巳さんはアウトドア全般の小物、パック、テントなどの生産管理を行っている。彼はスポーツが好きで、一年を通して登山・スキー・サイクリングなどで体を動かしている。姿勢がよく、体幹にぶれがないのはそのためだろう。富山は海や山が近く、県内外のフィールドにも出やすい。「富山は恵まれた最高の場所」と木下さんはいう。木下さんに富山での業務や生活、アクティビティなどについて話を聞いた。

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アイテムを実際に試し、フィードバックする。

木下さんがゴールドウインに入社したきっかけは「地元企業」という点が大きかった。幼い頃からスポーツが好きで、スポーツに関わる仕事がしたかったそうだ。

「スポーツの好きな私にとって、富山はとても良い場所です。近くにスキー場があり、シーズン中は週末になるとスキーに行きます。基本は県内ですべりますけれど、会社の仲間を誘って長野や岐阜、新潟へ遠征することもあります。富山は自然で遊ぶには便利な場所だと思います」

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木下さんの業務は生産管理。主にアクセサリーを担当している。多くの製品に接するので、時折サンプルを持ってフィールドに出かけ、そのときの気づきを社内で共有するそうだ。

「私はTHE NORTH FACE、HELLY HANSENをはじめとしたブランドのアクセサリー(小物、バッグ、テント、寝袋)の生産管理をしています。時折、商品サンプルを身につけてフィールドに出ます。実体験から得られる情報を開発メンバーに伝えやすい環境が職場にはあります。というのも、私の席の隣には開発メンバーたちがいるんです(笑)。これはよかったねとか、これは使いにくいねと、気づきを気軽に言える環境です。

しかし、フィールド体験をしている社員が減っているのではないかと感じます。ですから、積極的に同僚たちをアウトドアに誘っています。いきなりスキーや登山でなくても、ランニングやウォーキングでもいい。球技やスポーツ観戦だっていい。そこに体を動かす楽しさがあればいいですね」

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フィールドが近い環境だが、木下さんに話を聞くと、基本的には富山はクルマ社会。積極的に自分から動かないとスポーツをする機会は極端に少ないという。

「社内にいると限られた移動しかしません。だから、少しでも体を動かそうと思っています。たとえば、内線で済む用事でも、なるべく相手の所に出向いて話をするようにしている。階段を上り、少し歩くだけですが(笑)。それで仕事も円滑になりますし、スポーツの話もできます。スキーやランニングの話をしていると、ほかの社員に話が広がっていく。『じゃ、こんど山に行く?』……そういうきっかけにも繋がりますね。

会社全体がスポーツにもっと身近になれば良いかなと思います。たとえば昼休みや勤務中でも行き詰まったときなど『少し行ってくるわ』とランニングやクライミングができる環境や、仕事後に軽い登山ができたら。リラックスできる環境作りができればいいですね。朝、会社に来て夕方に帰るという仕事だけの環境ではなく、スポーツから生まれる楽しみを感じられる環境があってもいいのかなと思っています」

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商品を広く知ってもらうためには。

スポーツアイテムを扱う会社だからこそ、日頃からスポーツと共にありたいと木下さんは考えている。そして、自社で取り扱うウエアを身につけることで「見られる立場」になることも重要だと考えている。それは、少しでも良い製品を知ってもらいたいという思いからだ。

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「たとえば、全身THE NORTH FACEを着ていると、自分も意識するし、周りから『あ、良いの着てるな』と、見られていることもわかる。良い商品を身につけるということは、『見られる立場』にもなるんですね。広告塔ではないけれど、そういう効果もある。やはり、高機能でいいものですから、幅広く知ってもらいたい。

ゴールドウインの開発本拠地のある富山でも、ゴールドウインという会社を知らない人がいる。さらに幅広いターゲットに知っていただきたいんですね。ですので、自社で取り扱うブランドを着るということは、少しなりとも認知に対しての効果もあるのかなと思います」

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どう伝えるか、表現するかを常に考える。

社内には業務に関するアイデアを募集する『新アイデア提案』という制度がある。業務やフィールドで得た改良点やアイデアを提案する。時に、そのアイデアが生産ラインに活かされたり、新商品に繋がることもある。

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「富山では社員全員が、仕事や商品の改善に役立つ『新アイデア提案』をします。小さなアイデアでもいいんです。縫製のやり方を1つ変えるだけでも効率が上がる。担当する業務以外でもよくて、僕がスキーウエアのことを提案してもいい。たとえば、山歩きの時は一日中野外にいます。そこで太陽光を吸収するパネルや強風を利用する風車をパックに付けるとか、靴底にセンサーを付け、足踏みした力を電源とするとか。

……別に、常日頃から仕事のことを考えているわけではないんですよ。考えるのは、”仕事のため”ではなく、こんなのがあればいいな……という思いからです。私はたまたま、好きでやっていることが仕事に直結しているだけで、特別意識しているわけではありません(笑)。主に私はフィールドに出ている時に感じるアイデアを提案しています。まだ商品化にはなっていないんですけれども、いつか繋がっていけばいいですね」

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  1. 木下比呂巳
    1971年生まれ。富山市(旧 大山町)出身。
    物心ついた頃から球技が好きで、小学生時代は野球・サッカーにハマり、中学ではバドミントン部に所属し、県大会で準優勝も。
    1994年ゴールドウインに入社し、品質管理、アウトドア開発、本社転勤を経て現在に至る。社内の登山同好会の代表を務め、計画を立てること、そして稜線を歩くのがお気に入り。また、自他認めるサッカー好きで、夜中早朝のワールドサッカーを見ては目を擦りながら出社する日々が続く。

(写真 古谷勝 / 文 井上英樹)

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