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スポーツを楽しむコツ

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キャンプ料理編 綾織宏(GOLDWIN)

2015.08.20

豪快が身上の、男のキャンプ料理

7年間のキャンプ・インストラクター時代には、100人分もの料理を担当したり、子どもたちにも料理を教えるなど、キャンプ料理の醍醐味を知り尽くしている、綾織宏さん。前回のレイアウト術に続き、今回は大人も子供も楽しめるキャンプ料理のレシピを伺います。ダッチオーブンや炭火グリルを使い、鶏一羽や塊の肉を丸ごと調理するなど豪快な料理の数々は、まさにキャンプの醍醐味。BBQ一辺倒から脱却して、目指せキャンプ・マスター!

【串焼きステーキ、オニオンソースがけ】

見た目にもワイルドな塊肉に串を刺し、そのまま炭火のグリルで焼く豪快料理。一気に焼くと表面だけが焦げ付いてしまうので、肉を「育てる」感覚で中までじっくり焼き上げるのがおいしさの秘訣。肉に刺す串は熱が回るように金串がオススメです。肉の中心部は火が通りにくいので、この金串に伝わる熱を利用します。

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材料(4人分)
・塊肉(牛ロースなど) 300g

〈ソース〉
・玉葱 1/4個
・白ワイン 50cc 程度
・醤油 大さじ1 程度
・塩コショウ 適量

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作り方
1. 炭火をおこす。網の表面にはあらかじめ、オリーブオイルを塗っておく。
2. 肉の表面に塩・コショウ(分量外)を振り、金串を2、3本刺す。
3. 網が十分に温まったら肉を焼く。片面に焼き色が付いてきたら、肉を回して表面だけが焦げつかないよう、じっくり焼き上げる。
4. ソースを作る。みじん切りにした玉ねぎをフライパンで炒め、透き通るくらいになったら白ワインを入れアルコールをとばす。アルコールがとんだら、醤油を入れてよく混ぜ、塩コショウで味をととのえる。
5. 肉が焼きあがったらみんなの前でカット!ソースを添えてできあがり。

【主食系パスタスープ】

夏場のキャンプでも、夕方は気温が下がります。昼間にビールを飲みすぎて体が冷えることもあります。そんなとき、みんなの胃袋をほっとあたためてくれるのが野菜たっぷりのスープ。具材にパスタを加えれば、男性陣も納得のボリュームに。スープのいいところは、余ったら翌日の朝に回せるところ。その場合、もちろん味つけを変えますから翌朝のアレンジまでを考えて、まずはシンプルなコンソメ仕立てにしておくのがオススメ。

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材料(4人分)
・マカロニ(フィジッリなど) 100g
・玉葱 1/2個
・人参 1/2本
・セロリ 1/2本
・パプリカ(赤・黄) 各1/2個
・ブーケガルニ 適量
・パセリ 適量
・塩 適量
・コショウ 適量
・コンソメ 大さじ1〜2

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作り方
1. 全ての材料を切る。玉ねぎは薄切り、その他の材料はさいの目切りに。
2. ダッチオーブンに切った野菜を入れ、それがかぶるくらいの水(分量外)を入れる。
3. 火をかけて、鍋のふちがフツフツとなってきたら、コンソメとブーゲガルニを入れる。
4. ある程度具材に火が通ってきたらマカロニを投入する。塩、コショウで味を整える。
5. 全ての具材に味がしみたら、パセリを散らして出来あがり。

【トマトINチリコンカン】

ここまでワイルド系の料理をご紹介してきましたが、料理好きの男としては多少、手をかけたものもサーブしたい。こんなとき、「アウトドアなのにカフェめし(風)」というプレゼンテーションは女性に好評です。今回はビールのおつまみにもぴったりのチリコンカンを、トマトに詰めて蒸し焼きに。トマトは生よりも加熱するほうが旨味もコクもアップするので、ぜひ試してみてください。

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材料(4人分)
・ひき肉 200g
・トマト 4個
・玉ねぎ 1個
・セロリ 1/2本
・ミックスビーンズ 小1缶
・トマトジュース 200cc
・ピザチーズ 適量
・塩 適量
・コショウ 適量
・ガラムマサラ 適量
・クミン 適量
・レッドペッパー 適量
・タコシーズニング 1袋
・ガーリックパウダー 適量
・パセリ 適量

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作り方
1. 野菜をすべてみじん切りに。トマトの中身はくり抜いておく。
2. フライパンにオリーブオイルを引き、玉ねぎを弱火でじっくり炒め、スパイス類を入れる。
3. くり抜いたトマトの中身と残りの野菜を入れて炒める。野菜がしんなりしたらひき肉を入れ、ほぐしながら炒める。
4. 肉に火が通ったら豆とトマトジュースを入れる。
5. 一煮立ちしたらタコシーズニングで味を整え、蓋をして中火で15分ほど煮込む。
6. 煮詰まってきたら中身をくり抜いたトマトにチリコンカンを詰め、チーズを散らし、アルミホイルで包む。炭火グリルの網の上に並べる。
7. チーズがとろけ、トマトの皮がしんなりしたら完成。

【ホイルDEハンバーグ】

せっかく炭をおこしたのだから、もう一品くらい炭火で調理したいと思い、ホイル包み焼きのハンバーグをレシピに加えました。食材を余らせたくないのと、代用できるもので調理するのがキャンプ料理の面白さだったりするので、今回はバゲットの表面を削り入れてパン粉の代わりとしています。ホイルを開けた時の美味しい香りもたまらない一品です。

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材料(4人分)
・ひき肉 300g
・卵 2個
・バゲット 半本
・玉ねぎ 1/4個
・パプリカ 1/2個
・牛乳 大さじ2
・塩 適量
・コショウ 適量
・ナツメグ 適量
・チーズ 適量

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作り方
1. ひき肉に塩、コショウし、みじん切りにした玉ねぎと卵、牛乳をひたしたパン粉を加えてよく練る。
2. チーズを包むように成形し、薄切りにした玉ねぎとパプリカを下に敷き、アルミホイルで包む。
3. 炭火グリルで加熱する。
4. 中央に竹串をさし、透明な肉汁が出てきたら完成。

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キャンプ料理成功のコツはズバリ、事前のシミュレーション

キャンプ料理の場合、仕込みも調理も屋外で行います。スペースも道具も限られてきますから、時間も手間も食材も無駄がないよう、レシピを考える段階で調理の順番や、使い回せる食材を見越して選別します。キッチン内のレイアウトも使い勝手を考えて配置しましょう。このようにシミュレーションをきちんと行えば、キッチンでの動きも段取りも、ぐっとスマートになります。今回は炭火のグリルを3品で活用していますし、肉を焼き上げている間にツーバーナー1台でチリコンカンとスープも調理できました。材料も無駄なく使いきれる分量だけを持っていくのが、スマートなキャンプ術です。

もしキャンプ場の近場に川があったら、夕食用に魚を釣ってきたり、地物の山菜やきのこを道の駅などで買ってきたり、食材の調達をしてみるのも面白いと思います。キャンプ料理に深みが増すはずですから。

  1. knack_ayaori_pro
  2. 綾織宏(あやおりひろし)
    1983年6月14日、神奈川県平塚市出身。幼少の頃より活発な両親の影響で様々なスポーツを経験。学生時代は野球一筋、専門学校ではスポーツトレーナーを目指していたが、実習でキャンプインストラクターを取得したことで方向転換し、アウトドアの道へと入ることとなる。20代前半は1年の大半をインストラクターとしてキャンプ場とスキー場で過ごしていたが、当時下宿していたスキー場でTNFのスノーシューイベントに携わったことをきっかけにTNF+ラゾーナ川崎店にアルバイトとして入社。ラゾーナ川崎店、ICI Club神田店と専門知識を生かした店舗に配属され、現在はTNF事業部に所属し、バックパックなどの商品企画を担当している。最近は趣味や経験を活かしてオートキャンプやBBQなどをコーディネートし、友人とのゆるいアウトドアを過ごすことがマイブーム。

(写真 鈴木泰之 / 文 倉石綾子)

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