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アイスブレーカーのメリノウール 選び方・着こなしガイド

2018.12.27

ニュージーランドの南アルプス、標高1800mに位置する契約牧場で育てられるメリノ種羊。過酷かつ豊かな自然に生きるメリノ羊のウールでつくられるウエアが『アイスブレーカー』です。メリノウールの素材特性や、季節や気候ごとのアイテムの選び方について、アイスブレーカー企画担当の仲田政樹さんに伺いました。

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アイスブレーカーは、創業者ジェレミー・ムーンが24歳だった1994年に、ガールフレンドの紹介でメリノ羊農家と出会ったことからはじまりました。100%メリノウールのTシャツのプロトタイプを着てフィールドテストを繰り返したジェレミーは、その可能性に魅了されたそうです。

当時のアウトドアウエアは化学繊維が主流で、ウールは一時代前の素材でした。しかし実際に着用したハイカーや自転車ツーリストは、その着心地のよさ、メリノウールがもたらす快適な衣服内環境に、驚いたといいます。まもなくニュージーランドだけでなく、世界中のアウトドア・アクティビティ好きから評価を得ました。

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私も同じでした。2011年秋にジェレミー達が来日し始めて会った時に、失礼ながら「メリノウールは日本では売れないよ!」と言ってしまったのです。それが私の思い込みだと気付かされたのは、アイスブレーカーを着て、山に登ったときでした。

メリノウールのここに驚かされた

メリノウールには化繊や他の天然繊維よりも高い吸湿性があるんです。汗をかく前から吸湿し、快適な湿度を保つ調湿性を備え、吸い上げた汗をゆっくりと気化し必要以上に体の熱を奪わない機能もあります。つまり、人間が「ちょうどよい」と感じる衣服内の環境を維持し、いわゆる汗冷えも感じにくいのです。

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ウールのチクチクする感じが苦手という方もいると思います。でもメリノウールの繊維は、人間の肌が違和を感じる50ミクロン以下よりも細く、17~19ミクロンしかありません。そのソフトな肌触りに、「これがウールなの!?」と思うでしょう。私も思いました。

もっとも驚かされたのは、メリノウールが持つ天然の防臭抗菌効果です。人がかく汗には脂肪と塩分の混合物が含まれていて、これが雑菌を繁殖させ、臭いの原因となります。でもメリノウールは雑菌が付着しにくい性質で、臭いが出にくいのです。化繊のアンダーウエアだと数日間着続けていると臭いが気になることがありますが、メリノウールは例えば洗濯ができない山で数日間を過ごしても、臭いが気になることはほとんどありません。

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実際に先日も、巻機山へのトレッキングのときに、仕事で着ていたアイスブレーカーの上下のままクルマに乗って登山口に向かい車中泊。起きて、朝から歩きはじめ、山小屋に泊まり、翌日そのまま下山して、温泉で汗を流して帰京。ずっとアイスブレーカーを着続けていましたが、ウエアの臭いは皆無でした。繊維自体に高い撥水性があるので、ベタつきもなく、最初から最後までサラッとした着心地のまま。荷物を少しでも減らして軽くしたい登山、そしてアウトドアな旅で、すごく使いやすいんです。

アイスブレーカーが誇る、「品質」のヒミツ

メリノウールの機能の高さを解説してきましたが、現在ではメリノウールを使ったウエアを扱うアウトドアブランドは他にもあります。「アイスブレーカーとの違いはなにか?」と思われるでしょう。その一番の違いは「品質」です。

通常メリノウールは、価格が乱高下する市場から調達しています。価格が不安定になるので、多くのブランドでは品質の低いウールを混ぜて価格を抑えています。アイスブレーカーは違います。メリノウールを用いたウエアブランドの先駆けとして、ニュージーランドの牧場と築いてきた信頼関係によって直接契約を結んでいます。

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10年という長期単位で直接契約することで、安定した価格で高品質なものを仕入れ、使用しているんです。羊の放牧についても細かなレギュレーションを設けて、自然に対してローインパクトな環境で育てています。自然と生産者とともに持続可能なビジネスを行い、高品質なウエアをユーザーに提供することを、大切にしているブランドなのです。

メリノウールは「重さ」で使い分ける!

そんなメリノウールですが、季節や気温によって使い分けられるよう、アイスブレーカーでは様々な種類をラインナップしています。ブランドを代表するベースレイヤーから、気温別に3つを持ってきました。それぞれ、生地の厚さが違いますよね? 150、200、260という厚さです。

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この数字は、生地を1メートル四方にした時の重さ(グラム)を意味しています。150の方が薄く、260は分厚いですよね。それぞれの使用の目安はこんな感じです。

150……オールシーズン快適な薄手
200……真夏以外の時期に対応する汎用性に富む厚さ
260……雪山など厳冬期に活躍する厚手

200と260はブランドを代表する昔からある重さです。特に200は一番のスタンダードですね。260は厳冬期にも使えます。150はライクラ(ポリウレタン)を混紡していて強度や速乾性を高めています。200と260のように保温性を重視するものはウール100%です。素材に自信を持つアイスブレーカーならではのベースレイヤー、とも言えますね。

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ZONEと書いてるもの、この「150 ZONE」がそうですが、これは放熱が必要な脇や背中などを薄手のメッシュに、保温が重要なボディ部は通常の生地で、と部分部分で必要な厚さを採用しています。

メリノウールをライフスタイルウェアとして

アウトドアの世界では、アイスブレーカーはアンダーウエアの代名詞的存在として知られています。アウトドア用ということで、体のラインに沿うぴったりとしたフィット感のウエアが中心でした。しかし、アイスブレーカーのよさは、毎日でも着られる、毎日でも着たくなる素材の良さだと私は感じ、2014年に『ディアイス』というシャツを日本向けに企画しました。

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手前が『ディアイス』 奥のベースレイヤーと違い、縫い目の見えない、よりライフスタイルウェアとして日常的に着ることのできるウェアに仕上がっている

それはアンダーウエアのイメージを脱却する、中間着としてセーター的に、普段着できるシャツです。このシャツは予想を上回る人気を得て、2016年にはライフスタイル・アイテムとして拡大。『JOURNEYS』というコレクションになりました。このコレクションは2017年に北米と南半球で、漢字の『旅』というラインで販売され、2019年春からはヨーロッパでも展開されることになっています。

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今年2018年、『JOURNEYS』では、アイスブレーカーに関わる人々が持つ自然へのリスペクトを表現。自然の色をテーマにしてプロダクトを展開しています。それは「NATURE DYED」という、メリノウールに、植物から抽出された天然色素で染色したウエアです。春夏には東京のサクラ、インドの藍、北海道のタマネギ、大分の竹炭を使って染めました。秋冬は三宅島のススキ、岡山の柿、箱根の松の色のウエアです。

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原料となる素材はいずれも廃棄されるものを再利用していますが、どれも自然の豊かさを感じる色合いで、美しいと評判になっています。男性でもサクラ色のポケットTシャツを着ている方が多くいて、アイスブレーカーの着心地だけでなく、季節感や街にも馴染むアウトドアテイストを楽しんでいるようです。

アイスブレーカーでは、創業者のジェレミー・ムーンをはじめ、関わる誰もが、「自然は驚くほど優れたデザイナーであり、自然がつくるすべてのものは、とてもシンプルで効率的でしかも美しい」という考えを共有しています。つまり自然の機能と美を纏えるウエアが、アイスブレーカーなんです。だから毎日でも着たくなるのです。これを読んだ皆さんも、是非一度アイスブレーカーを着て、本当の快適さを体感してみてください。

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150 ゾーン ロングスリーブ ハーフジップ

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200 オアシス ロングスリーブ クルー

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ネイチャーダイド ショートスリーブ ポケット クルー

  1. 仲田政樹
    1973年生まれ、埼玉県出身。専修大学卒業後、1997年ゴールドウイン入社。アウトドア流通の専門店をメインに営業職を8年、アウトドア商品部に3年、同海外事業グループにて4年勤務した後、ザ・ノース・フェイス事業部に異動。現在はアイスブレーカーを担当。

(写真 David Frank / 文 PONCHO)

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