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減らそう、水難事故!命を守るライフジャケット着用TIPS
宮嶋洋介

2017.07.25

海や川など水辺のアクティビティが、ますます魅力的に映るこれからのシーズン。今回は私たちを水難事故から守ってくれるライフジャケットのお話を。ウォータースポーツを愛する全ての人に知ってほしいライフジャケットの機能と役割を、競技歴30年以上というヨットマン、ヘリーハンセン事業部の宮嶋洋介さんに伺います。

    ヒヤッとした経験が、ライフジャケットの大切さを教えてくれる

    僕がヨットを始めたのは小学校5年生の頃のこと。両親の知り合いにヨットをやっている方がいて、その関係でヨットスクールに入学させられたんです。日本で学生のヨット競技というと、ディンギーという、風のみで動く小型のヨットのことを指すのですが、僕もこのディンギーから始めました。習い始めの頃は嫌で嫌で仕方がなくて、週末が来るたびに憂鬱な気持ちになっていましたね。

    高校ではヨット部に所属、高校生のときはインターハイや国体出場を目指していたのですがそれも叶わず。このままじゃ終われないと思っていた時、インカレの強豪校から誘いを受けたんです。せっかくセーリングを続ける機会に恵まれたのだからと、大学時代は初心に戻って練習に励むようになりました。いろいろな挫折を経験しつつも、チーム全員が一丸となって取り組んだ結果、最終的に全日本インカレで良い成績を残せたのはいい思い出ですね。
    卒業後はクルーザーのチームにお世話になっています。現在も休みが合えばレースに出るようにしていますが、毎回、自分の至らなさに歯がゆい思いをしています。もっと上手くなりたいですね。

    大人になってからはありませんが、中学・高校時代は海で肝を冷やしたことも少なからずありました。海ではしばしば、急激に天候が悪化します。もちろん、それを予測して海に出るんですが、予想以上に早く崩れることも少なくありません。ディンギーは海が荒れると簡単にひっくり返ってしまうのですが、中学生の小さな身体では船を元に戻すのにかなり体力を消耗するんです。

    ライフジャケットを着用していれば、たとえ立ち泳ぎがしんどくなっても顔が水面に出ていますから問題ない。ただ、夏は暑いのでライフジャケットを着たくないし、当時は今ほど意識が高くなかったんです。なのでヨットに積みっぱなし、なんてこともあったりして…… 。もしライフジャケットがなかったら脚がつっておぼれていたかもしれない。そんな、ひやっとするシーンも経験もしました。

    海はもちろん、川でも湖でも

    当時を振り返ると、「着ていてよかった」という経験があるからライフジャケットの重要性を理解できるようになったんですね。今では、海はもちろん、川でも湖でも必ず携行するようにしています。楽しく遊んでいるときほど、身体の動きは大きくなり筋肉がつりやすくなりますから。

    泳ぎが得意でない人はもちろん、泳げるという人も、波をかぶったり海水を飲んだり、ふとしたことでパニック状態に陥ることがあります。そんなとき、ライフジャケットが生存率を左右します。

    実際、国土交通省の調べによれば、ライフジャケット着用時の生存率は非着用時に比べて2倍以上。ライフジャケットは海中転落時に非常に効果的であるとして、「船舶の種類や年齢にかかわらず着用することが望ましい」としています。

    現在、ヘリーハンセンでもライフジャケットの着用を促すプロモーションを行っています。水辺ではライフジャケットを着ているのが当たり前、着ている方がスマートに見える、そういう文化を作っていかなくてはなりません。海外では犬ですら着用していたりします。ビーチで、川辺で、水周りで遊ぶ際は常にライフジャケットを手に取る、メーカーとしてそういう習慣を一般化することに力を注いでいます。

    今年も逗子海岸にライフジャケットレンタルステーションが設置された。こちらでは子ども用を中心にライフジャケットを揃えており、無料で借りることができる。

    大切な家族や友人を、水難事故から守るために

    現在は逗子のライフセーバーたちにヘリーハンセンのライフジャケットを採用していただき、泳ぎに自信のないという方には貸し出しも行ってもらっています。ビーチでたくさんの人がライフジャケットをつけていて、その光景が当たり前になる。そんな風になっていけばいいと思います。

    また、「WEAR IT! ライフジャケットを着よう」プロジェクトにも賛同していて、オフィシャルパートナーとして活動を行っています。先日は「Ready, Set, Wear it!!2017/さあ、みんな一緒に、着よう!」というイベントにヘリーハンセン鎌倉店が協力しました。これは水難から命を守るライフジャケット常時着用の重要性を呼びかけるため、世界各国で同時にライフジャケットを着用し、その着用人数世界記録に挑戦しようというもの。「WEAR IT!ライフジャケットを着よう!」プロジェクトの一環として、毎年マリンシーズンの始まる5月に開催されています。今年もたくさんの人にライフジャケットを着用してもらえました。

    イベントに参加してくれた子どもにライフジャケットの正しい着用方法を伝える宮嶋さん。(写真提供:ゴールドウイン)

    ビーチでのレンタルの次に行うべきこととして考えているのが、海に近い学校などに災害用の装備としてライフジャケットを提案すること。毎年10月には危機管理産業展という見本市が開かれるのですが、そこにもライフジャケットを出展しようと思っています。

    正しいライフジャケットの選び方

    ライフジャケットを選ぶ際は、きちんと試着して適正なサイズを選ぶことが大切です。腕の可動域、胴周りのフィット感、そして着心地や動きやすさを試してみてください。試着の際、上着は脱いで薄手のTシャツやシャツの上からの着用してください。レッグループのあるモデルでは、脚も通してみることをお勧めします。

    子どもの場合は特にフィッティングが重要で、ジャケットの中で身体が泳ぐほど大きいものはダメ。サイドベルトでアジャストできる範囲内のサイズを選びましょう。

    世の中にはたくさんのライフジャケットがありますが、ジャケット選びの指針の一つとなるのが「桜マーク」です。これは厳しいテストに合格し、国土交通省の定めた規格に合ったものだけが取得できるマークで、マークを取得できたモデルは「国土交通省型式承認品」と呼ばれます。製造工程が増え、また耐久性の高い素材を使うことで値段は高くなりますが、信頼性の高いジャケットであると言えるでしょう。

    ヘリーハンセンから初登場、日本企画のライフジャケット

    ヘリーハンセンからもこの規格に合致した日本企画のライフジャケットを、今シーズン初めてリリースすることができました。これまではノルウェーで生産されたものを輸入していたので、欧州規格の製品のみの展開だったんです。
    「桜マーク」のつくライフジャケットは無骨なデザインが多いのですが、ヘリーハンセンらしくツートンカラーの爽やかなデザインに仕上がりました。キッズ用モデルも揃うので、ぜひ、親子で着用してください。

    使用後は真水でよく洗いましょう。ファスナー部に砂や海水が溜まりやすいので丁寧に落とします。水で汚れを流したら、風通しのいいところでしっかり乾かすだけ。これだけお手入れしていただければ、長く使っていただけると思います。

    ライフジャケットが当たり前のように存在する水辺の景色を目指して、ヘリーハンセンとして多くの活動に取り組めていければ嬉しいですね。

    1. 宮嶋洋介(みやじま ようすけ)
      1973年6月4日、青森県青森市出身。
      関東学院大学卒業。
      セーリングに関わる仕事がしたいという想いで1999年にゴールドウインに入社。
      ヘリーハンセンの直営店から専門店の営業を経て現在はプロモーション担当。
      現在も週末は相模湾をベースに活動している。
      セーリング以外の趣味は野球観戦、キャンプ、ピクニック、散歩。

    (写真 三浦安間 / 文 倉石綾子)

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